看護師を目指している方で海外で看護師をしたいという方はなかなかいないのではないでしょうか?

そもそも海外で看護師という発想が出てきませんね。

小さい頃や思春期の頃には映画やドラマに影響されて海外に住んでみたいと思った方も多いと思います。

看護師で海外で働くという生き方もカッコいいですね。

そんな生き方をしている方を紹介します。

最初から「海外看護師」を目指して、看護師資格を取得されたのですか?

そもそもの夢は「海外に行く」こと。幼い時から「おおきくなったら留学させてね。」と言ってたそうです。外国で日本人として恥じないように「まずは日本文化を習得しよう!」と、自ら進んで「茶道」「華道」「書道」の教室に9歳から通っていたほどなんですよ。「それなら海外に行っても役立つように、看護師の資格を取っておきなさい。」という母のアドバイスが、「看護師になる」というもう一つの目標を掲げたきっかけでした。看護師の資格を取得した当初は日本で働いていましたが、私の頭の中には常に「海外」という二文字が。しばらく働きお金を貯め、英会話を勉強し、22歳の時に思い切ってイギリスへと旅立ったんです。

海外看護師への第一歩ですね。資格取得までの道のりは険しかったですか?

海外看護師・Yuka

インターネットに関する知識がなかった留学当初の私には「海外看護師」に関する情報は全くなく、まずはイギリスでボランティアについて学ぼうと、とある福祉大学へ面接に行ったんです。日本で看護師をしていたこと、将来海外に住みたいことなどを面接官に話すと、「それなら大学には通わず、イギリスで看護師になってみては?」という思わぬ言葉が。その時に初めて、「海外看護師免許」を取得できることを知ったんです。その後も情報集めには悪戦苦闘し、足踏み状態が何ヶ月も続きましたが、英語力はその間にぐんぐん上達。今思うと、情報の少なかった私は随分回り道をしたかもしれませんが、あの面接官に出会わなければ「海外看護師」への道のりはもっと遠回りだったかもしれません。その後もたくさんの人々からサポートしてもらい、着々と免許取得の準備をしていきました。

海外看護師免許取得の手続きは、どんな感じでしたか?

まずは当時のUKCCというイギリスの看護協会(現:NMC)へ問い合わせ、免許の書き換えについての情報を集めました。そして日本の看護師時代の成績証明書や婦長さんからのコメントなど必要書類を取り寄せ、看護協会に提出して回答を待つことに。すると「イギリスの病院で六ヶ月以上の研修をすれば取得可能」という返事が。研修先探しに奮闘している時、たまたま電話帳で見つけた病院へ電話をかけて交渉すると、研修OKのお返事がいただけたんです。研修先の病院で半年が過ぎましたが、まだ自信がなかったので、さらに半年間研修生として勉強しました。特殊な医学英語にもかなり苦労しましたが、研修が終わる頃にはだいぶ慣れてきましたね。その後も同じ病院で約3年働き、その間にイギリス人の主人と知り合い、結婚したんです。

憧れの地、オーストラリアで働く

イギリスでめでたく海外看護師になり、ご結婚もされたんですね。

そうなんです。女の子を出産してしばらく経ってから、主人が「日本へ行ってみたい」と言ったことがきっかけで、一度日本へ帰国。イギリスは好きだけれど永住の地ではないな、と感じていたこともあって、次なる渡航先をじっくり考える時間にもなりました。日本で検診バイトなどをしながら準備をしたのは、オーストラリアへの移住計画。気候が良くて自然が多いオーストラリアには以前から住んでみたいと思っていたし、もちろん看護師免許の書き換えも可能。そして帰国してから3年後には、家族3人でブリスベンの地を踏んでいました。

それでは現在はオーストラリアで働かれているんですね。

海外看護師・Yuka

オーストラリアでの就職先は、各国に病院を展開する大きなグループ。希望すれば各地のグループ病院へ簡単に転職可能なんです。現在はブリスベンにある、国内一大きなプライベート病院で働いています。かつてイギリスでの勤務先は、病棟は1つなのですが病室ごとに科目もドクターも違うという、まるでたくさんの個人病院が集まったようなところでした。開業に莫大な費用がかかるイギリスではこのようなスタイルが主流だそうですが。今オーストラリアでは、整形外科病棟で夜勤専従看護師として勤務しているんです。日本から来た海外看護師さんは、この病院にあと5名ほどいらっしゃいますよ。

看護師として働く中で、日本と海外で何か違いはありますか?

私は現在、夜勤1回10時間、週4回のシフトで働いています。日本では夜勤となると1回大体12~15時間という固定された長時間勤務ですが、こちらはとてもフレキシブル。週40時間を目安に、自分で時間を組み立てられるんです。どちらかというと、「病院が私に合わせる」といった感じでしょうか。あと大きな違いは、休暇の取り方です。こちらの時給は日本よりもかなり高めですが、ボーナスは出ませんので、年間のお給料では大体同じくらいですね。けれども有給休暇がとても多く、なんと5週間連続で取れるんです。ですから休暇を利用して里帰りも出来ますし、日本で看護師をしていた時よりゆとりある生活が送れてるような気がします。

「海外看護師」に対する現地の人々の反応はどうですか?

海外看護師・Yuka

オーストラリアは他国と比べても特に多民族な国家なので、患者さんやナースの国籍もばらばら。英語があまり話せない中国人の患者さんがいらっしゃった時は中国人のナースが通訳に呼ばれたり、もちろん私も時々日本の患者さんの通訳にかりだされます。だから自分が「外国人」であることは全く気にならないですし、看護師の数もまだまだ足りませんから「海外看護師さんよく来てくれました!」と歓迎されるほどですね。娘が通う幼稚園にも色々な国の学生がおり、お友達のインド語を覚えて帰ってきたりと、親子共々、多民族国家ならではのたくさんの刺激をもらっています。オーストラリアに住んでみてますます永住したいという気持ちも高まり、将来はビーチの近くに家を買いたいなとひそかに思っているんですよ。

「海外看護師」が持つ無限の可能性

海外看護師になってよかったと思うことは何ですか?

「看護師」という資格は、私にとっての「パスポート」。世界各国で自分を活かすチャンスや可能性を与えてくれるものなんです。もちろん日本と海外とでは、言語を始め、勤務体制や病院のシステムなど様々な違いはあるけれど、「看護」の基本は世界共通だと思います。私が今心がけているのは、患者さんに常に話しかけてあげること。特に夜は、容態が急変してもご家族がすぐに駆けつけることができません。患者さんを一人ぼっちで亡くすことだけは避けたいので、そういう時は例え意識がなくても、ずっと話しかけてあげるんです。すると本当に、家族が到着するまでの間頑張ってくれるんですよ。「聴覚」は一番最後に無くなるって言われていますから、私の声もきっと届いていると信じています。

「海外看護師」として活躍するYukaさんの将来の夢は何ですか?

長年の目標だった「海外看護師」になって、可能性がぐんと広がりました。各地で活かせるので、これから先またどこかへ移住しても、この資格と技術で生きていけますし、もちろん日本へ戻ってもすぐに就職できるでしょう。今の私の夢は、愛する家族と共にオーストラリアという国を思いっ切り楽しみ、いずれは海辺に素敵な一戸建ての家を持って、永住すること。気候の良さと多民族国家ならではの独特の文化が、育児にも良い影響を及ぼすと思っています。けれども娘には日本語もきっちり習ってほしいので、数年後にはまた一時日本へ帰国するかもしれません。

「海外看護師」のような大きな目標を達成する秘訣を教えてください。

海外看護師・Yuka

一番に言えるのは、「目標をしっかり持つ」こと。そうすれば例え回り道をしても、行くべき道がきっと現れ、ゴールに辿り着くことが出来ると思うんです。「海外看護師」を目指した当初は情報が少なく、まるで暗闇を探るかのような毎日。「もう帰りたい。」と愚痴を漏らしたことも。そんな時に私が心がけたのは、常に頭のアンテナを立てること。そうすることで、出会う人や物からたくさんの情報を頂いてきました。周りの全てにサポートされながら現在の私があると言えます。今でも、何か知りたいことや欲しい物、夢や目標などがあれば、自分の心の中だけに溜め込まず、周りに宣言するんです。すると、思わぬところから情報が舞い込んできたり、ヒントが得られたりするんですよ。「一日を無駄にする者は一生を棒にふる」と自分に言い聞かせながら、日々楽しく一生懸命働いています。

出典http://www.nasnus.com/interview.php?NO=003

出典http://www.sloman-pumps.com/kaigai/

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