ドラマにもなる看護師のお仕事8割がやめたいと思い実際の離職率は1割ほどになるみたいです。

現実と自分が思い描いていた理想のギャップがあまりにも大きいということなのか一般の事務職よりも高い数字になっています。

辞めたいと思いながらも踏みとどまるものと辞めたいと思い実際に辞めたもの二者の選択はどちらが正しいのでしょうか?

看護師辞めたい・・。ナース3年目で辞めた女の末路

著者プロフィール:
神奈川県在住・29歳・女
看護師を辞めた女性

看護師を辞めたかったら、辞めればいい。
病院なんて地獄のような所、人間が働く場所じゃないから。
それに仕事さえ選ばなきゃ、看護師じゃなくても働き口はそれなりにあるし、何とか生きてはいける。

だから実際に病院を辞めて、全然別の仕事をする看護師は多い。

でも「看護師を辞める」のは、それなりの覚悟が必要だった。
私は「何とかなるだろう」なんて軽い考えで看護師を辞めて、人生に絶望するくらいまで落ちた。

その経験を、こんな悲惨なこともあるんだって意味で伝えてみたくなった。
興味があれば読んでみてください。

看護師を辞めた瞬間

わたしは新卒で都内の大きな総合病院に入職した。

1年目は内科病棟に配属され、
2年目に泌尿器科に転属になり、
3年目で神奈川の混合病棟に転職した。

3年目で転職の理由は、環境を変えたかったから。
わたしは「どんくさいタイプ」で、いつもどこか抜けてて、看護師になってからずっと落ちこぼれだった。
協調性が無く、チームワークを乱し、予想外のことが起こればすぐパニックになる。
一言でいえば看護師に向いてない性格。
ただここまでは何とかなるレベルかもしれない。

けど私には、さらに致命的な欠点があった。
それが「集中しすぎて周りが見えなくなる」こと。
バイタルのような単純作業しているだけなのに、集中しすぎてナースコールが聞こえなくなる。
ワザと聞こえない振りをしてるんじゃないかて疑われたりもするくらい。
だから周りの看護師から嫌われていたし、「あの子は全ての点で看護師に向いてない」って陰口も叩かれてた。

(当時の数少ない写真。今見ると作り笑いが痛い・・)

そんな私でも病院を変えれば、何かが変わるんじゃないかって思った。
だから別の病院に転職した。
けどうまくはいかなかった。
転職から1年経っても相変わらずミスしてばかりで、集中しすぎて周りが見えなくなり、同僚の看護師とも仲良くなれず、誰からも助けててもらえない。

そんなとき問題を起こした。
とある夜勤の日。
朝5時ごろ、朝の申し送り用の書類を書いてたら集中しすぎてナースコールに10分以上気が付かず、寝ている患者さん達が起きてしまい、隣の外科病棟からドクターや看護師が来る大騒ぎに・・・。その後、出勤してきた師長と看護部長からカンカンに怒られ、夜勤明けなのに夕方16時までインシデントレポートを書かされ、私の看護師人生は終わった。
一応、自主退職という形だったが、部長から「退職願を出してほしい」とリストラ勧告された・・・。

看護師3年目。
わたしは看護師を辞めた。

看護師を辞めて

看護師を辞めて、コールセンター、居酒屋、携帯ショップ、ティッシュ配りのアルバイトをした。
求人誌

「時給1000円って結構高いじゃん!」って最初は思ってたけど、実際に1か月働いてみると15万円ほどにしかならない。
家賃と水道光熱費、ケイタイ代、食費を引いたら、手元に残るのは毎月たったの1万円。
そこから日用品、交通費、保険、税金を払ったら、完全に赤字になる。
服や趣味にお金を使っている余裕なんて全くない。
当時、大ファンだった嵐のCD(1000円)を買おうかどうか、ツタヤの店内で5時間迷った挙句、結局買わなかったくらいに。

看護師のころは何だかんだで30万円ほどもらってたから、ずいぶん余裕があった。
けど看護師を辞めてからは、通帳の貯金がドンドン減っていく。
このままだと、あと1年で貯金が尽きるって計算できたとき、人生のタイムリミットが来るみたいで怖くて不安で潰れそうだった。

もちろん正社員として働いたこともある。
自動車部品工場、コピー機の飛び込み営業、デイサービスの介護。
正社員として働いたとき

工場は流れ作業の組み立て。単調すぎて1日8時間が地獄のように長く、2か月しか続かなかった。
かんたんな仕事って簡単すぎて辛いってよく言われてるけど、本当にムリだった・・・。これはやってみないと分からない拷問レベル。

営業は、お客さんに罵倒され、上司に罵倒され、精神的におかしくなってけっきょく1件も売れずに2週間で辞めた・・。
辛すぎてコンビニからFAXで辞表を出した黒歴史。

デイサービスは介護ヘルパーとして就職した。
楽だったけど、とにかく給料が安かった。
手取りで11万弱。
正社員なのに時給700円の世界・・・。
ボーナスに期待したけど、夏冬合わせて10万円。
アルバイト時代より収入が悪化し、1年3か月で辞めた。

自分の価値を知る・・

元看護師だろうが、看護の資格が無ければただの人。
例え正社員でも給料がこれでもかってくらい低賃金か、誰もやりたがらない仕事しか回ってこなかった。
価値のない人間は、人並みの生活すらさせてもらえない。

私に生きている価値なんてあるんだろうか?
マンガドラマで使い古されたフレーズだけど、そう思わない日が無いくらい苦しんだ。

堕ちた場所

行きついたのが夜の仕事だった。

お水やキャバなんて軽いものじゃなく、体を使う仕事。

これでお金には困らないって思ってた。
けど全然割に合う仕事じゃなかった。
指名が取れずお金が全然稼げない。
思った以上に難しかった。

それに心も体もおかしくなる。
人には言えないことをさせられ、ギラギラしてムキ出しの人間の汚さを見せつけられたら、誰でもチョットやそっとはおかしくなる。
わたしの場合は、それがトラウマになるくらい辛かった。
足を洗った今でもたまに夢に出てきて吐いたりする。
病院も辛かったが、ここはそれ以下の生き地獄。

看護師としての復職

結局、あんなに嫌っていた看護の世界に復職しようと思った。
看護師に復職したい・・

このとき29歳。
30歳近い女に、他に選択肢なんてなかった。

まずはハローワークと無料雑誌で求人を探した。
貯金が限りなく0円に近かったこともあり、手あたり次第に電話を掛けた。

腐っても看護師。
すぐに復職できるって甘く考えてた。

けど現実は、5年もブランクがある看護師なんてどこも雇ってくれなかった。

8つの病院の面接を受けて、まさかの内定0。
恥を覚悟で数少ない看護学校の友達に泣きつき、病院を紹介してもらうも撃沈・・・。

看護師の仕事はキライだったが、心のどこかで頼りにしていた。
「わたしには看護師の資格があるから大丈夫」って。

けど5年のうちに「看護師としての価値」を無くしてしまった。
それに気が付いた時の、救いようのない絶望感はかなりキツかった・・・。

今でも思い出す。
誰も助けてくれない海の真ん中で、たった一人漂流しているような恐怖だった。

誰かに頼るという勇気

わたしは転職アドバイザーの無料相談に申込んだ。
某転職サイト
(某転職サイト)

病院を紹介してもらった看護学校の友達から「何で転職アドバイザー使わないの?」って言われたから。

転職アドバイザーに相談するのは、敷居が高そうだし、何してくれるのかもよくわからないし、自分なんて相手にしてくれないだろうし、そもそも自分の問題で他人に頼りたくなかったし、あまり気が進まなかった。
でも自分じゃどうしようもできない絶望的な状況の中、誰かにすがりたかったのかもしれない。

スマホでアドバイザーに申し込んでから二日後。
ビルのオフィスの一室で、転職アドバイザーと対面した。

アドバイザーを一目見たとき印象は「灰原さん」だった。
転職アドバイザーの灰原さん
(名探偵コナンに登場する灰原さんにソックリという奇跡・・)

アニメの灰原さんはクールなキャラだが、目の前の灰原さんはペラペラよく喋る女だった。
天気の話から、近場のランチの話になり、なぜか「タッキー&翼」の話に。
正直、タッキーの話はどうでもいい・・。

そんなムダ話を20分ほどして、ようやく本題の復職の話になる。

わたしは昔病院で働いていたこと、看護師に向いてなかったこと、大問題を起こしたこと、看護師を辞めてアルバイトや介護をしたことを伝えた。
そして今、看護師として復職しようとするも失敗して、これからの人生に大きな迷いと不安があると打ち明けた。

灰原さんは話を聞き終えると、わたしの不安に一つ一つ丁寧に答えてくれた。

なぜ復職できなかったのか、
復職できる病院、
復職できない病院、
わたしに合いそうな病院、
わたしに合わない病院、
良い病院の見抜き方、
悪い病院の見抜き方、
長く勤められる病院、
長く勤められない病院、
5年後のキャリアプラン、
10年後のキャリアプラン、
30年後のキャリアプラン、
転職活動の進め方、
転職までに準備すること、
転職でやってはいけないこと、
履歴書や経歴書の書き方、
面接での受け答え、
病院との交渉術。

灰原さんは転職のプロだった。
正直、最初はまったく期待していなかったけど、この灰原さんの知識と経験は、軽く鳥肌が立つくらいのプロフェッショナルを感じた。

この人なら何とかしてくれるかも・・。
人に頼るのを極端に嫌う私がそう思うほど、灰原さんは凄かったし、涙が出るほど心強かった。

復職できたのか?

わたしは、看護師として復職できた。
復職した病院
(復職した病院)

灰原さんが、数多くある求人の中から私に合いそうな病院を7つ厳選してくれ、そのうち3つの病院の面接を受け、2つから内定をもらい、1つ選んだ。
面接でキョドってた私に「あなた今まで頑張ってきたんだから自信を持ちなさい」って声をかけてくれた師長がいる病院。
希望通りこの師長がいる内科病棟に入れた。

そして今、復職して6ヶ月目。
立ちっぱなしの仕事にも慣れ、看護のカンもある程度取り戻し、何とか働けている。
今の病院は、地域の中核病院。
だから患者さんが多く、何かと忙しい。
でもわたしには笑っちゃうくらい合っていた。

今の仕事

今の仕事はハッキリってかなり忙しい。
復職した病院の仕事風景

毎日ジェトコースターに乗っているかのように、バタバタと走り回り、1Fの診察室と2Fの病棟を行ったり来たりして、あっという間に過ぎていく。
残業もほぼ毎日30分~2時間はある。

仕事内容は、病院の規模とはギャップがあり、かなり高度で高い看護技術が求められる。
2次救急があり急患も来るし、挿管介助が必須だし、患者の容態観察も気が抜けないし、ドクターが少ない分、看護師として最大限の知識と選択を求められる。
だから仕事が終わってからも学生時代のように勉強している。

「ダメだった病院」と「良かった病院」の違い

今の病院は、看護師を辞めるキッカケになった2つの病院よりも忙しい。
問題になったナースコールもバンバン鳴る。

それなのになぜ私はうまくやれているのか?
「以前の病院」と「今の病院」で何が違うのか?

もっというなら、
「ダメだった病院」と「良かった病院」のどこに違いがあるのか?

忙しさだったり、仕事内容だったり、勤務条件だったりは、程度の差こそあれ、「ダメだった病院」と「良かった病院」でほとんど違いはない。

決定的な違い

「ダメだった病院」と「良かった病院」で、決定的に違うことが1つある。
それは師長や主任、そして先輩たち。

ダメだった病院は、師長が他人に無関心で、下の看護師を育てようって気が無く、そのくせ仕事と責任を丸投げし、インシデントが起こっても助けてくれず、小さなミスには異常なくらい発狂する。
それを見て育った主任や先輩たちが、師長のコピーになり、
「人を育てず、ミスは許さない文化」が病院にできあがる。
だから私は、何も教えられないまま、仕事と責任だけを渡され、理不尽に叱られ、自信を失い、ミスに脅え、ミスをしないようにと慎重になり、周りが見えなくなって、ナースコールにも気が付かなくなった。
ダメだった病院は、だれにも頼れない孤独な空間。

逆に「良かった病院」は、師長が絵にかいたような温厚な人で、とにかく面倒見がよく、時間をかけて教えてくれ、仕事と責任を共有してくれる。

(左が私、右が師長)

インシデントが起これば、真っ先に駆けつけてくれるし、その後の責任も一緒になって取ってくれるし、守ってくれる。

それを見て育った主任や先輩たちが、師長のコピーになり、
「人を育て、ミスを共有する文化」が病院にできあがる。

「良かった病院」で働いて、私がこれまで看護に持っていた不安は、不思議なくらい全て消えた。
ガラにもなく、働くのが楽しいと思えるようになった。
誰かが守ってくれるだけで、こんなにも安心して働けるもんなんだって思った。

それを夜勤の休憩中に師長に伝えてみたら、泣いて喜んでくれた。
つられて私も泣いた。

誰と働くか?

看護が楽しいかどうかは、「誰と働くか」で決まる。

だから「看護師を辞めたい」って思うときは、たいていの場合「誰と働くか」が間違っている。

新人のときは、経験や知識をもっているプリセプターや先輩に教えてほしい。
ミスったときは、頼りになる師長や先輩に助けてほしい。
悩んでいるときは、誰でもいいから相談に乗ってほしい。

当たり前のことなんだけど、これができない先輩や上司はかなり多い。

「誰と働くか」は自分で選択できる

私は運よく灰原さんに出会い、今の病院に転職し、目標とする師長に出会えた。
看護師を辞めたドン底人生からの、大逆転だと思う。

そのキッカケをくれた灰原さんは、こう言っていた。
「長く仕事を続けられるかどうかは、どこで働くかではなく、誰と働くかで決まります」
「だから転職するときは、有名な病院だから、知っている病院だから、良さそうな求人だからで選んじゃダメです」
「どんな人が働いるのか?で選んでください」

これを灰原さんから何度も何度も聞かされた。
わたしはその言葉通り、今の師長の下で働きたいと思い、今の病院を選び、運よく大逆転できた。

「看護師を辞めたい」って本気で悩んだ時は

看護師を辞めるとたいてい場合、今より状況が悪くなる。

年収、福利厚生、労働条件、安定性、全ての面で悪化する。

これは間違いのない事実だった。
わたしは地獄を見たし、人生に絶望もした。

そもそも看護師を辞めたいって思うくらい悩む人って、真面目で一直線な人が多い。

そんな人は、まずは転職アドバイザーに相談してみてほしい。
「私はいつでも転職できるんだ!」っていう逃げ道があるだけで、気分的にかなり楽になるから。

出典http://www.consumer.am
出典http://kangoshinayami.com/3kagetsume.html

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